K**K
台詞が少ない分、めちゃくちゃ高度な演技力が求められる作品
イギリス北部はいつも曇ってて風強めだが、そんな天気がしっくりくる作品。ハワイアンな天候だとこの映画の雰囲気は出せない。主人公ジョニーは一見身勝手でくだらない奴に見えるかもしれないが、家族の期待や失望、本来興味のない仕事への重圧、田舎の疎外感や抑圧感、おまけに自身の性的指向や将来への不安から誰でも自暴自棄になっても仕方ない状況がそこにあるのだ。そんな折、EU最貧国のルーマニアから出稼ぎ季節労働者のゲオルゲが登場。最初は移民のよそ者くらいの感覚で舐めてたのに、何をしてもどこをとっても完璧なこの朴訥男にうっかり惚れてしまうジョニー。まあ、ぶっちゃけゲオルゲは女性でも完全に「惚れてまうやろー」キャラではある。絡みのシーンは、この映画ジャンルの王様であるブロークバックマウンテン以上に意味不明で、「えっと急に半裸の泥試合ですか?でもなんで今?なぜここ?」という感じだったが、あとに出てくる場面は一変して「これは本当に演技なのか?」と思わせるほどの迫真の懇ろさが見られた。ちなみに、上半身だけ裸のシーンはよく見るものの、下半身だけ裸のシーンはあんまり見たことない…というか全然見たことないので、新鮮だった(笑)やはりこの映画の醍醐味は役者の演技力にあると思う。台詞が少ない分、表情や態度で視聴者に訴えかける非常に高度な演技力が求められる作品。そこにこの映画独特の世界観がつまっている。主人公が失敗や絶望から学び、成長していくストーリーもさることながら、主人公ジョニーの繊細な表情や二日酔いの表情、一挙手一投足の表現力が全てにおいてとにかく秀逸で、それらを全てナチュラルに表現できるこの俳優さんの力量に感銘を受けた。
ボ**ン
ジワッと沁みる
静かにゆっくりとしたテンポで進むストーリーが、農場の荒涼とした風景と相まって、じっくり心に沁みわたる美しい作品。フラストレーションを抱え、捨て鉢な夜遊びを繰り返す主人公のジョンが、家業を手伝いに雇われたゲオルゲと接することで徐々に変化していく様子が見ている側にも伝わって、とても感動しました。LGBTがテーマなのかと思いきや、単にそれだけでなく、介護問題も含んだ普遍的な家族の物語です。地味ですが俳優陣の演技が大げさにならず素晴らしいのと、無駄なBGMやセリフは一切無く、リアリズムに徹している演出にかえって好感が持てます。ハリウッド映画のような華やかさはありませんが、何度も見たくなる秀作です。あと、人の感じ方はそれぞれですのでコメントは自由ですが、これだけは言っておきたい。この映画は「優れたインディペンデント作品」であって、「B級作品」と表現されてるコメントもありましたが、そのような括りで評価するのはかなり違和感があるように思います。
ど**つ
すばらしい!
Georgheの美しさに魅入られました。ひげもじゃなのに美しい!男の姿をしているのですが、Johnnyを導くような包むようなやさしさは女神のような美しさを見せます。そして、Johnnyがやんちゃながらも成長して、Georghiを思うことで一人前になっていく過程はほほえましいです。セットはとても生々しい感じで、しかも始まりはトイレだというのに、なぜかこの映画はとても美しい。というわけでBlue-rayで購入しましたが、すばらしい!エンディングも好きです。ありがとうFrancis Lee監督!
T**A
イギリスの農民芸術
フランシス・リー監督の二作目『アンモナイトの目覚め』に感動し早速『ゴッズ・オウン・カントリー』を視聴してみました。本作はリー監督の実生活にも基づいており、リー監督はそこに残って家族の農場で働くか演劇学校に行くかを決めなければならなかったそうです。ヒリヒリと凍てつく佗しい風景の描写心は反対し奥底で抑えきれない感情のすべてを肉体労働に置き換える様子階級社会と同性愛というドラマ性は2作品とも同じでした『ゴッズ・オウン・カントリー』はドキュメンタリー性を感じさせる作りでした監督自身の思い入れが強いのか生っぽさや雑味が残ったように思います個人的な好みはとっさの鋭い知恵を感じる『アンモナイトの目覚め』ですが、一般的な恋愛映画としてはもちろん高いレベルにあると思います。フランシス・リー監督の最新作はホラー映画で、主演は本作ジョニー役のジョシュ・オコナーが再タッグを組むそうなので今から楽しみです。
H**I
ジョシュが最高!!!
衝撃を受けました。自分のアイデンティティがマイノリティに属していること、祖母はいるが母親がいない、父が脳溢血で酪農の仕事ができない、多くを若い彼が抱えて、粗暴で自暴自棄な青年が、自分より劣ると思われていたジプシーという立場のゲオルゲに出会い、厳しい境遇でも有能で謙虚に自分を生きているゲオルゲにどんどん惹かれて、成長していき、「一緒に生きたい」と言葉にできた最後が何度見ても素晴らしい。ゲイ映画とカテゴライズするにはあまりにも勿体無い深い映画です。
A**マ
海外のレビューがほとんど
レビューをチェックせず視聴しました。う~んそんなにいい作品かなあと思ったらほとんど海外からのレビューでした。海外の方には受けがよいのか?のどかな風景から始まり、のほほんと見始めたらのっけからいきなりいちゃつきシーンが始まりびっくりしました。それにしても…あの田舎街でゲイを見分けるって主人公すごい直観力!そして積極的…。後半に進むにつれて性描写が増えてきます。他の方も指摘のとおり、男性の裸にぼかしをいれるほど大胆なアングル(椅子に座った様子を真正面から)がありますので家族でご覧にならないようご注意ください。「ブロークバックマウンテン」ほどの急展開はありません。ただ同性愛というより、家族の介護を抱えながら家業(牧場経営)を継承など別の意味で重い内容になっています。羊の出産シーンと死骸の子羊を切り刻むシーンがありますので、ご覧になる場合はご注意ください。
明**治
暗闇の中から仄かな光を見つけ出していくような、生生しいのに、心休まる物語。
同性愛をテーマにした映画によくあるセクシュアリティへの葛藤の物語というよりは、家族との関係や仕事や責任に揉まれながらも恋愛を通じて成長していく男の物語という方がしっくりとくる。この映画はシナリオの構成がしっかりとしている分、先が読める展開ではありますが、その分、リラックスして観れる映画とも言えると私は思います。グロテスクで辛辣な農家の現実を描写した映画でもあり、人によってはそれを鑑賞し難く感じるかもしれませんが、私は、そういった現実がこの映画の美しさを更に際立てていると感じました。そして舞台となったヨークシャーの美しい情景がたまらなく良かったです。(注意:"amazon 日本/プライムビデオ/レンタル"では、ぼかしが入っています。他の媒体ではどうなっているかはわかりません。)
N**O
優しさに溢れる映画
こんなに優しいキスシーンは初めて観ました。
Trustpilot
1 month ago
1 day ago