Full description not available
C**E
相互理解の難しさ
著者の研究歴及び道徳心理学の歴史を辿りながら、人々がどうして仲良くなれないのかを考察していく。一部は道徳心理学の第一原理について;直観が先行し、理由は後付けになる。象(感情)に乗った運転手(理性)という比喩で理解すると良いとのこと。理性は感情の奴隷であると看破したヒュームと、評判が非常に重要であると指摘したグラウコンがこの部の中心。思考実験で、害がないとしてもタブーにふれるようなことは「正しくない」と感じる人が多いとのこと。脳は常にかつ直ぐに評価しがちであり、社会的・政治的判断は直観によって即もたらされ、身体的状況が道徳的判断に影響する。気違いは理由付けには優れているが、情には疎い。いっぽう、赤ん坊は感じることは出来るが、理由付けはできない。感情的反応は正しいときに正しい場所で生じる。思考は投票行動に似ている。他人が自分をどう考えるか気にする、それもしばしば無意識のうちに。理由付けは自分の立場にとって正しいように当てはめられる。また嘘をつくのが非常に上手く、自分さえも騙される。理由付けによってどんな結論にでも辿り着くことができ、チームにとって自分を捧げるような行為もとる。理性の賞揚は危険。他の人に寛容になろうと提言される。二部は第二原理について;道徳とは、被害の防止や公正以外のことも含まれている。道徳心は複数の味覚(世話、公正さ、忠誠、権威、神聖さ)として比喩がなされる。道徳の領域を拡張してみせたShwederと、忠誠や権威や神聖さについて述べたデュルケームがこの部の中心。価値の多元性を理解して欲しいとのこと。WEIRD(英語で「変わってる」の意)ーーWestern, Educated, Industrial, Rich, Democraticーーな社会は、統計的に見てとても特殊なのだ。関係性より個人を重視しがち。文化人類的に見て、それぞれの社会で道徳は多元的である。自律性を重んじるWEIRDの価値観以外にも、コミュニティや神聖さを重視する価値観もある。そしてそれぞれの価値観は、内部では一貫性をもたらし、外部の価値観に対しては無知になりがちになる。義務論と功利主義はともに順序付けに関しては優れているが、共感能力には劣っている。ヒュームの多元的・感傷主義・自然主義的なアプローチは現代の道徳心理学に近い。モジュールとして感情の受容体を理解すると良い。世話/害悪という基礎は子どもを世話することへの適応から生じ、残酷さを嫌悪し困っている人を助けたいと願うようになる。公正さ/インチキという基礎は協調性への報酬から生じ、善人かどうか判断し、ズルをする人を罰したいと思うようになる。忠誠/裏切りという基礎は連合を維持することから生まれ、チームプレーヤーになりうるかどうか判断するようになる。権威/服従という基礎は社会階層を維持することから生まれ、階級や地位に関して気を払うようになり、分を弁えた行動をとっているか判断できるようになる。清浄/劣化という基礎は雑食性から生じ、危ないものに注意を払うようになった。政治にあっては自由/抑圧という基礎が加わり、支配されないかどうかに気を配るようになる。公正さは利他心のみならず、正しい割合で報酬を得ているかという感覚に繋がっていく。アメリカの保守はこれら全ての価値を等しく考え、リベラルは公正・自由を重んじる。三部は、道徳によって人は縛られるし、盲目にもなることについて。自分勝手であると同時に、群れに忠誠を誓いもする。90%は猿のように個人主義的で、10%は蜂のように群れ優先となるという比喩が使われる。進化はとても早く生じるので、遺伝子と文化がともに進化する可能性がある;宗教的精神と宗教の実践はともに進化したかもしれない。そうすることで、群れ内の協調性を高めてきたとのこと。進化論を提唱したDarwinと、人間は個人主義的とは限らないと指摘したデュルケームがこの部の中心。自己中心的とは限らず、全体の一部としても動けるのだ。政治にあっては、保守・リベラルを分けるような遺伝もあるし、自分で物語を作って適応もする。リベラルの言うように政府は会社のやり過ぎを押さえることができるし、効果のある規則もある。またリバタリアンの言うように市場は優れており、保守主義の言うように価値は多様だ。全ての人に耳を傾ける必要がある。人間の心理に興味がある人はどうぞ!
S**A
Headcase
This book is a headcase. I'm questioning the author's own view on morality and I'm not even 10 pages in. So far, I figures out he has ridden an elephant in his life, and his taste is limited to basic flavors of cuisine. As decidedly, not from U.S.A., and having lived in different countries, I can say I've had a broader taste of flavours than him. I'm expressing this because I think this exposes the author as having a narrow view already. From there it just gets worse.I bought the book because it was recommended on World Economic Forum's book club. I saw the book's cover and title and decided to give it a chance. I will never take that chance again, and am now questioning all the books in that club. These are types of mediocre books that masquerade as enlightenment or self-help, but is really just trash. Do Not Buy.I regret the money I paid for this book.
Trustpilot
1 month ago
1 day ago